内地は雨がすごいようですね。こちら札幌、環状通東あたりにヒグマが出るわ、北海道新聞は相変わらずだわ…もうわや…って感じです。試されてるね…。
で、主題のクスリのお話です。
グルカゴン問題
インスリン依存の患者さん全員かどうかはわかりませんが、我が家では 低血糖時の緊急対策 としてグルカゴンという薬を処方されています。
インスリンと同じく体内で分泌されるホルモンでして、血糖値を上げる効果があります。ボーラス量を誤ったり、予想よりインスリンが効きすぎたりしてヤバい低血糖になった時に使います。
こんな薬です
新型コロナウイルスワクチンが筋肉注射っつーことで、「筋注」は普通に聞く言葉になりました。グルカゴンも筋肉注射で投与します。 (大腸内視鏡の時に静脈から入れる場合もある)
注射用水とグルカゴンがセットに。注射器はインスリンを割るときに使う 1ml・26ゲージ針付き ツベルクリン用 を流用します。ふつうは注射器を別途もらうのだと思います。
手順が複雑、ぶっつけ本番筋注
問題はここですね。
自分の子(1歳)が低血糖で意識混濁の状況でコレやれってか…。しかも筋肉注射はなんか変な土台で練習しただけなんですよね。つか免許もないし、人間に注射したことがあるわけもない。しかも実際やるときに先輩看護士や指導医がいるわけでもない。とはいえモタモタしてると生命の危険も…!
正しい筋肉注射って、なに?
しかもね、先ほどのマニュアル。病院で習ったやり方とちょっとだけ違うんです! 教わった手順だと 根元まで刺したら血液の逆流がないか(⑧と⑨の間に)確認する はず。だが、メーカーの手順にはないじゃないか。
…いったいどういうことなんだ? 我が家的には育児の味方! 看護rooで確認しよう。
おっしゃ、筋肉注射の手技をチェック!(苦手な人は見ないでね)
ほら動画では血の逆流の確認してんじゃん…って…
※編集部註※
動画内では血液の逆流がないことを確認する場面がありますが、現在は、筋肉注射で推奨されている接種部位に大きな血管はないため、血液の逆流確認は推奨されていません。ただし、施設によっては逆流確認を行う場合もありますので、自施設のマニュアルをご確認ください。
はぁーー? まぁテレビのワクチン接種の映像見てて「逆流確認してなくない?」って思ってたけど、そういう…。
ただし、施設によっては逆流確認を行う場合もありますので、自施設のマニュアルをご確認ください。
あーはいはい、施設によるってね、なるほど。 …と思ったけど、教えてもらった病院でシナジス筋注するとき、逆流確認してなかったなぁ。まぁなんか、こう、常識変わったりとか部位によるとか乳幼児だったりとか、いろいろあるんだろう。そういうことにしておこう。
(今度確認しておかないとな…)
そこでバクスミー!!
そんな恐怖と混沌が支配する家庭内グルカゴン筋注問題に終止符を打つべく、2020年10月2日、コイツが販売されました。
いろいろ見てわかる通り グルカゴンが点鼻薬に なっています!!
オイオイオイ、こんな便利な存在を知っちまったら黙っちゃいられねぇ。早速処方してもらうべく、病院へ走ります!
(実際は知ってから打診するまで半年以上経過しています。まぁ急ぎでもないかなって…)
主治医先生に相談だ!
まぁ、主題のとおり処方はされませんでした。残念…!
先生によると、乳幼児は鼻や鼻腔が小さく狭いし、そもそも年齢に制限あったと思うし、使えないんじゃないかな? とのお話。
小児はダメ
調べてみると...
(小児等)
小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない及び4歳未満の小児等を対象とした国内外臨床試験は実施していない
はい。先生のおっしゃる通りです。
ダウン症が今後影響してくるのか?
特に言われませんでしたが、ひょっとすると今後、鼻が低いなどダウン症の特徴が影響してくるかもしれませんね。処方できる年齢になったからすぐOK! とはならないかもしれません。どのみち、主治医先生に相談しつつになるでしょう。
投与が簡単になっても、実施するのは親!
次男は「みかほ整肢園」というところに通所しています。
そちらでは看護師さんが在籍しているので、センサグルコース管理や糖質管理+食後ボーラスなどの対応をしていただいております(糖質を意識した給食調理など、多方面の支援にはマジ感謝です…)。
で。そういえばバクスミーは点鼻でリスク低そうだなー、処方されてる家庭は子供に持たせておいて、看護師や教員の方に対応をお願いしてるのかな? とふと思ったりします。その辺は医師によると 施設職員がバクスミーを個々の判断や親の指示で投与することはできない そうです。あくまでも、本人 or 保護者が実施することになります。そりゃそうか。
つか、そもそもグルカゴンの出番はなさそう
主治医先生曰く SAP療法でミニメド640Gを使ってるのなら、グルカゴンはまず使わないだろう との見立てっぽいです。スマートガードという超機能があるし、退院後の様子やセンサグルコースのグラフを継続的に観察してる感じ、極度な低血糖に陥る可能性はかなり少ないだろうとのことでした。よかったね。
そういえば、補食すら使ったことがない
次男は1歳ちょいでダウン症なので、低血糖で補食! という状況が結構難しいです(意思疎通とか、ちゃんと噛んだり舐めたりが確実じゃない)。んなので、病院の看護師さんのアドバイスで コーヒー用のガムシロップ を携行しています。ブラックコーヒーに入れるアレ。ちゃんと血糖値が上がる糖(今は果糖ブドウ糖液糖)のものを選んで用意しているのですが、そもそも捕食すら使ったことがない。確かに先生の言う通り、今のところはグルカゴンのことはそこまで気にしなくてもいいかもしれませんね。
久々に更新した
「新生児糖尿病的な」ことが個人的にはなかったので、書こうと思うことがなかった。ある意味、新生児糖尿病児を育てる生活に慣れ、しかも安定したんでしょうね。
まぁ慣れるのはよいことですが、一方で新しい知識を得る必要もあります。今回のバクスミー、前回のフィアスプもそうですが、糖尿病関連のテクノロジーはどんどん進化しようとしています! 当事者はもちろん、サポートする家族も細かくウォッチしていくようにしていきましょう!