新生児糖尿病日誌

新生児糖尿病(+ ダウン症)の育児記録です。

検査・診断・治療については、必ず医師に相談してください。

実践! 新生児糖尿病が離乳食でカーボカウント?

北海道も最高気温2ケタに乗ったりしてきて、もう春が近いですねぇ。次男の血糖値は ノボラピッド から フィアスプ に処方が変わり、さらにコントローラブルでいい感じです。

さて、次は みかほ整肢園 の給食とかもあるし、離乳対策せねば! ということで離乳食を二回食へ。まだまだ食えそうなので、一食の量も増やす。…となると、新生児糖尿病的に無視できないのが カーボカウント です。

離乳食で糖質を計算…ってのは普通やらない

ふつう、離乳しながら血糖値の管理 なんてやらないので、情報が極端に少ないです。
離乳食、みんな月齢に応じて作ったり買って食べさせても食わないしワンオペで手一杯! そんな情報ばかりが集まるかと思います。ツイッターをはじめ、最近は雑誌とかでも大体そんな感じですかね。

そんじゃ色々見てみましょう。

「離乳食」で検索

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おー、SERP的なアレでカラフルかつキラキラですねー。我が家では使ったことないのですが、出来合いのモノもいろいろ売ってて、災害時にも便利そう! レシピも月齢に応じてわかりやすい!!

「離乳食 ダウン症」で検索

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はいはい。ちょっと雲行きが怪しくなってきました。いろいろ配慮が必要なんですよねぇ…。
3番目のリンクは、病院で栄養士さんに見せてもらった気がする。

「離乳食 カーボカウント」で検索

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やっぱりな。いきなり大学病院のPDF。ぜんっぜんキラキラしてない。資料。症例。数字。っていうか「さらにかんたん! カーボカウント」の執筆者さんッスね。しかもそれ以外のリンク、検索ワードにあんま関係ない。

あーあ…となるかもしれませんが、気を落とさずに行きましょう…!

乳幼児はざっくりやっちゃダメらしい…ってのは、マジっぽい

以前、記事で紹介したカーボカウントの本ですが…

ygr.hatenablog.com

おおざっぱにカウントすることを推奨します。そうすることで、糖質量の推定が簡単になります。最小のカウントも0.5刻みで十分だと思います。つまり乳幼児以外の患者さんでは 、5g未満の誤差はほとんど意味がありません。

と記載されています。逆に言うと乳幼児は5g未満でも気をつけろと? …いうてまぁ大して影響ないんじゃね…? と、 お粥の糖質2g → 5g 程度まで食事量が増えたのに、大差ないだろとビビッって2gでボーラス。するとみごとに血糖値が乱高下してしまいました…。 その子の新生児糖尿病以外の体質(うちはダウン症で体重8kgとか? 運動量とか? 整肢園での活動とか?)などによるのかもしれませんが、本のとおり乳幼児は気を付けたほうがよさそうです…。もはやカーボカウントではないですね。

カウントではなく、計算せよ

ちゃんと計算してボーラスしないと、やっぱりズレるということが判明しました。逆に、ある程度の精度でボーラスすると大丈夫っぽい。なので、先ほどの記事にある 7訂のクリーニング済みデータを利用します。こちとら素人なので Ctrl + F とか 正規表現 が使えないと俄然面倒。助かります。

廃棄率はどうする?

その名の通り、皮とか骨とか、フツーは食えねぇ部分の割合です。栄養成分の値は廃棄率を除いた可食部100g で記載されているので、気にしなくていいです。参考値って感じなのかな?

利用可能炭水化物…?

「利用可能炭水化物」

って、聞いたことありますか? オレはありません。炭水化物から食物繊維を抜いたもの? と思ったけども、炭水化物と食物繊維はそもそも別に書いてある…。つか、炭水化物に比べて利用可能炭水化物が増えてる場合もかなりある。なんで増えてんねん錬金術か? と思いましたが

文部科学省の資料です。
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/__icsFiles/afieldfile/2017/02/22/QA_2015.pdf

でんぷん→ブドウ糖への加水分解の結果、一定量が増えるんですねぇ。あぁー…高校で習った気がする…水素イオンとか…。ブドウ糖ということは血糖値に直撃! なので、こちらを参照したほうが良さそうかなぁ。

炭水化物 = 糖質 + 食物繊維 方式とは違うん?

お菓子とかのパッケージに書いてるのはこの方式ですが、どうやら簡易的な方式のようです。ただ、市販品だとこの表示でやるしかないな。

我が家は「利用可能炭水化物」に合わせていくぜ

長い話でした。まぁ以上から、我が家では「7訂の利用可能炭水化物」に合わせる方向でいいかな、と。
ここまで突っ込んで栄養を考えたことないし間違ってるかもなので、詳しくは医師や栄養士さんに聞いてみましょう!

ゆるめの全粥を作ってみよう

まず主食のごはんでしょうか。うちの炊飯器は計量カップと重さが決められており、1合で150gとなっております。

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本当は重量を計測したほうがいいかもですが、まぁそこまでは必要ないでしょう。そのための計量カップですしね。
(ちなみに実測したら145gだった。まぁそれくらいはさすがにいいでしょう…!)

おかゆ1合で水740ml…なのですが「水を900mlに増量」「やわらかめ」で炊きます。ダウン症はおくちが小さかったり噛むパワーもなかったりなので、食べやすいようにね…。まずメシ食うことを優先していく。

1キューブ/糖質1g は、大変なのでやらない…

前回書いた 1キューブ = 糖質1g をやると、マジでめんどくさい。離乳食初期はいいかもだけど、もうやめた! やめやめ! 今後は 出来上がりの全糖質量を、作成したキューブ数で割る という単純なパターンに変更していく。

で。

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21キューブっすね。

精白米145g、100g中の利用可能炭水化物は83.1g。なので お粥全体の利用可能炭水化物は 83.1g * 1.45 = 120.495g になり、これが21キューブになったので、だいたい 利用可能炭水化物5.7g/キューブ。…まぁ、容器や皿のこびりつき、離乳時特有の食べこぼし、ミニメド640Gのボーラスウィザードは小数点以下の入力ができない…などなどで、ボーラスウィザード時は ざっくり糖質5g/キューブ と計算していいかな?

ふむー! これで完成しました!

※ 2012/5/26 追記

1キューブの端数を切って5g/1キューブとしていますが、食べる量が増えるとズレが大きくなります。
例えば、3キューブ食べる場合は本来の 5.7g * 3キューブ = 17.1g として 利用可能炭水化物 17g でボーラスしたほうがいいです。5g/1キューブですと 5g * 3 = 15g となってしまい 2g の誤差。お子さんにもよるかと思いますが、うちの次男だと影響が出るレベルになってしまいます! 1キューブ単位だと小数点1ケタまで計算しておいた方ががよろしいかも。

1キューブの糖質を忘れないように!

ただこの方式、作るたびに1キューブあたりの糖質量が変わってしまいます。これを、なんらかの形でわかるようにしておきましょう。我が家は冷蔵庫に100均ホワイトボード(マグネット付き)を貼って、そこに書いています。今のところは十分。

これを忘れると、冒頭のように5gなのに2gみたいな雑ボーラスで高血糖 、逆に 2gなのに5gでボーラスして低グルコース突入の危険性 が出てきます。

次男は結構食べるからできるのかも?

次男さん、割と食う。なんつーか、メシも魚も野菜も「おなかすいた食べたい!!」って意欲が強いんですよね。なので中途半端に残したりということはなく、この方式でもぜんぜん困りません。が…離乳食初期や食の細い子だと 1キューブ/糖質1g 方式の方が管理しやすいかもしれません。中途半端に残されたり遊んでブン投げられたりすると、食った量がわからずボーラス時に困るかも…。

主食以外の食品は??

現状では主食がメインで、肉魚野菜は少なめ。んで、イモ類・果物などの「甘いもの」はまだ食べさせていません。ってことで、現在は主食とミルクのみ糖質計算してボーラス。ただ、今後は全体を見てやらないとダメだろうな。

ま、ひとまずはこれでOKそう

現状では 主食の利用可能炭水化物を計算 + フィアスプ で俄然、血糖値にコミットできている。フィアスプがともかくいい感じで、糖質量さえ間違えなければバシッと決まる。

ミニメド640G
キレイすぎて逆に気持ち悪い…

まぁ、珍しい病気ですからね。臨機応変に行くしかないッスね…!